
ネモリズマブというアトピー性皮膚炎の治療薬の実用化が着々と進んでいるようです。日本でアトピー性皮膚炎で苦しんでいる人は本当に沢山いて全国に数百万人とも言われています。症状がひどくなると痒みが激しくなり夜も眠れなくなるなど日常生活が普通に送れないという人もいます。そんな、アトピーの治療薬として期待されているのがネモリズマブ。一体どんな治療薬なのか気になったので調べてみました。
ネモリズマブがアトピー性皮膚炎の治療薬に!
アトピー性皮膚炎は、日本国内で数百万人もの患者がいると言われています。症状の程度は様々ですが、症状がひどくなると痒みが収まらずにかきむしってしまうため皮膚がぐじゅぐじゅになり炎症を起こしてしまいます。
これだけアトピー性皮膚炎で苦しんでいる人が多いにも関わらず、これまでにアトピー性皮膚炎を治す特効薬はありませんでした。
一般的によく使われるのがステロイド系の薬ですが、強さや使用頻度によっては、色素沈着などの副作用がおきたり、最初は弱いステロイドを使っていても皮膚が慣れてしまい、弱いステロイドでは症状が改善されなくなり、どんどん強いステロイドを使うことになるケースも多いと言われています。
そのため、「脱ステ」という言葉があるくらいで、アトピー性皮膚炎の対処薬にステロイドを使わないという選択をする人も多いようです。
アトピー性皮膚炎は、苦しんでいる人が多い反面特効薬がないことで、様々な民間療法やあ「アトピーに効く」という商品が販売されていて「アトピー商法」という言葉があるほどです。
そんな、アトピー性皮膚炎の治療薬として期待されているのが「ネモリズマブ」。
聞き慣れない薬ですが、一体どんな薬なのでしょうか?
気になります!
ネモリズマブは痒みを抑える治療薬
ネモリズマブは、中外製薬が開発した抗体で、京都大学などの国際研究チームが協力して検証した結果によると、ネモリズマブがアトピー性皮膚炎の患者のかゆみを大きく抑える働きがあることが確認できたそうです。
アトピー性皮膚炎になると、インターロイキン31(IL31)というタンパク質が沢山作られてしまうことで、アトピー性皮膚炎の特長であるかゆみを引き起こすと考えられています。
そこで、かゆみの元であるインターロイキン31(IL31)の作用を消すことを目的に開発されたのがネモリズマブなんだそうです。
今回の治験では、
- 京都大学
- 九州大学
- 東京通信病院
- アメリカの病院
- イギリスの病院
- ドイツの病院
- ポーランドの病院
で、アトピー性皮膚炎の患者の中でも中度から重度の患者約200人に対して12週間ネモリズマブを定期的に注射したところ、治験が終わってから再度患者のかゆみを確認したところ約60%の患者さんの痒みが半減したことが分かったそうです。
アトピー性皮膚炎は、痒みがひどくなることで皮膚をかきむしって症状が悪化したり、夜痒くて夜眠れないことで、睡眠時間が少なくなり更に肌荒れになるなどかゆみを抑えることでアトピー性皮膚炎の症状が改善されることが期待されているそうです。
ネモリズマブの副作用は?
ネモリズマブがアトピー性皮膚炎の治療薬として期待されていますが、副作用などはないのでしょうか?
今回の治験では、200人以上の世界各国のアトピー性皮膚炎の患者を対象に行われましたが、ネモリズマブを投与することによる目立った副作用は確認できなかったそうです。
現在アトピー性皮膚炎の治療薬として広く使われているステロイド系の薬は副作用があり、使用を控える人もいますが、ネモリズマブが本当に副作用がない薬として実用化されれば、アトピー性皮膚炎の画期的な治療薬となるのでしょうか。
ネモリズマブの実用化はいつ?
ネモリズマブは、中外製薬が開発を進めているアトピー性皮膚炎の治療薬ですが、日本での販売はマルホが国内ライセンスを取得したそうです。
そこで気になるのが、ネモリズマブの実用化や販売開始の時期。
今回約200人のアトピー性皮膚炎の患者を対象にした治験を行ってポジティブな結果が出たことを受け、今後更に多くのアトピー性皮膚炎の患者を対象にネモリズマブの効果を確認し、今から2年後の実用化を目指しているそうです。
新薬の販売までに必要な認可を得る必要がありますが、数年後のうちにアトピー性皮膚炎のかゆみを抑える治療薬が販売されるようになるかもしれないですね!
まとめ
アトピー性皮膚炎で苦しんでいる人は、多く成人は国内の2〜3%、小児の場合は約10%もいると言われています。
アトピー性皮膚炎に効果的な薬を待ち望んでいる人は本当にたくさんいるので一日でも早い実用化を実現して欲しいですね。
See ya!